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2025年9月18日


Newsletter vol.38 論語と算盤とSDGs⑪ <福澤諭吉> 後編
豊島 敦 前編では、福澤諭吉の生い立ちと洋行体験をたどり、どのようにして広い世界観を獲得したのかを見てきた。後編では、その思想を結晶させた著作『学問のすゝめ』『文明論之概略』『女大学評論』『新女大学』を手がかりに、学問を通じた個人の自立と男女平等を含む福澤の先進的な思想が現代のSDGsといかに通じるかを見ていきたい。 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずといえり」という『学問のすゝめ』の有名な一節を皆さんはご存知だろう。福澤は現実の生活や仕事に役立つ「実学」を重視した。いろは 47 文字や手紙の書き方、算盤などを必須とし、難解な古文や和歌を「実の無い文学」と切り捨て、儒学者も「あがめ貴むべきものにあらず」と断じたのは、いかにも権威主義、形式主義を嫌う福澤らしい。 このように生まれながらの平等を唱える一方で「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」という言葉を残し、学問による能力の差が社会的地位や貧富の差を生むと指摘している。教育の機会の平等と各人の努力が如何に大切かという考えは、現代のSDGs「質の高い教育をみんなに」と一致するもの
2025年8月17日


Newsletter vol.37 論語と算盤とSDGs⑩ <福澤諭吉> 前編
豊島 敦 本連載のテーマである『論語と算盤』を著した渋沢栄一は、実業界において今日まで続く多くの企業の創設に関わった実務家であり「日本資本主義の父」と呼ばれている。その功績を認められ、現在一万円札の「顔」となっているが、もう一人、一万円札の「顔」として長年親しまれた福沢諭吉について皆さんはどの様な印象を持たれているだろうか。 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり」 誰もが耳にしたことのあるこの言葉は、福澤諭吉の『学問のすゝめ』の冒頭に記された一節である。福澤は思想家・啓蒙家として、日本の近代化を思想と教育の両面から支えた存在である。自由、独立、実学の精神を広め、幕末に創設した慶応義塾からは明治初年から今日に至るまで多くの経済人を輩出してきた。日本経済の根幹を形づくる価値観に深い影響を与えたという点で、福澤もまた「日本資本主義の父」と呼ぶにふさわしい人物であろう。 福澤の著作を丹念に読み返すと、「教育による包摂」「ジェンダー平等」「誰一人取り残さない」といった、今日のSDGsが掲げる価値観の萌芽が随所に見て取れる。福澤は約40
2025年7月21日
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