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Newsletter vol.48 人材育成のすゝめ⑥
林 万美子 皆さまこんにちは。アスカコネクト代表の林です。 昨年から続けてきました「人材育成のすゝめ」も、今回が最終回となりました。これまで5回にわたり、人材育成についてお話してきました。私自身の失敗と成長の経験から始まり、人が変わるきっかけ、会社の方向性と個人の方向性を重ねることの重要性、そして人的資本と心理的資本を育てる具体的な取組についてご紹介してきました。 最終回となる今回は、この連載全体を振り返りながら、これからの人材育成と組織について考えてみたいと思います。 今、企業は大きな転換点にいる 少子高齢化による人口減少は、もはや避けられない現実となりました。多くの企業が採用難に直面し、「人が集まらない」「若手が定着しない」という悩みを抱えています。しかし、少し視点を変えてみると、これまでのような「人が辞めたら採用する」「足りなければ募集する」という発想そのものが限界に近づいているのではないでしょうか。 今後、企業間の差になるのは、どんな人を採用するかだけではありません。採用した人がどれだけ能力を発揮し、成長し、活躍できるかが、より重要
6月21日
Newsletter vol.47 人材育成のすゝめ⑤
林 万美子 前回までの連載では、若手を中心とした人材育成が組織にもたらすメリットについてお伝えしてきました。今回は、「会社のあり方を、どう社員と共有するか」について考えてみたいと思います。 以前、「経営方針を自分事として捉えている社員は驚くほど少ない」というお話をしましたが、皆さまはどのように感じられたでしょうか。経営者は伝えているつもりでも、深く理解しているのは幹部層のみ。他の社員は、耳には入っていても記憶や意識には残っていない……。残念ながら、これは多くの企業で起きている現実ではないでしょうか。 これまでは「企業が人を選ぶ」時代でしたが、すでに「企業が選ばれる」時代へと突入しています。「この指とまれ!」と掲げたとき、報酬のためだけに働く人よりも、会社の方向性に共感し、自律的に動ける人が集まるに越したことはありません。そうした人材をいかに確保し、共創の場をつくれるかは、経営者の重要な仕事のひとつと言えます。 会社はどこを目指すのか 多くの企業では、存在意義を示す「経営理念」を掲げ、その下に長期・中期・短期の経営計画を策定されていると思い
5月19日
Newsletter vol.44 人材育成のすゝめ②
林 万美子 皆さまこんにちは。アスカコネクト代表の林です。 前回の私のびっくりポンコツ人材っぷりに驚かれた方も多いと思います。今回は、そんな人間の再生のきっかけと、その後をご紹介したいと思います。 林主任化計画スタート 私のほぼ白紙の研修元帳を見た上司は、何故この状態なのかと驚き、少しお小言を言った後、すぐに私が最短で主任試験を受けるための資格試験の日程と、通信講座、その他の条件を全て洗い出してくれました。その結果、簿記3級から始まり、財務や法務といった金融独特の資格までありとあらゆるものを全て1発でクリアすれば、1年半くらいで試験を受けられる見通しであることがわかり、「林・主任化計画」に落とし込まれました。また、計画の推進を当時の融資係でサポートしようというチーム感まで醸成させてくれました。 ここからズレまくっていた私のキャリアの軌道が大きく修正されていきます。数年間さぼり続けたツケは想像以上に大きく、勉強漬けの日々が始まりました。それでも上司からの愛のある叱咤激励と周囲の応援ムードにうまく乗せられ、無事全ての目標をクリアし、当初の計画
2月18日


Newsletter vol.43 人材育成のすゝめ①
林 万美子 皆さまこんにちは。アスカコネクト代表の林です。 本ニュースレターも2022年7月にスタートし、いろんな方に執筆をご依頼しながら、Vol.42まで続ける事が出来ました。今回からは、アスカコネクトって今、何をしているの?というご紹介もかねて、私どもが考える人材育成とその実証結果などを皆さんにお伝えしていきたいと考えています。 アスカコネクトは、(株)アスカカンパニーの理念『さまざまな産業の生産性向上への貢献』を実践することを目的として、2018年にグループ会社として設立しました。当初はアスカカンパニーで培ったノウハウやツールを他社に提供する活動を行っていたのですが、「ツールを使える人材を一緒に育ててほしい」というご依頼を頂いたことをきっかけに、人材育成を主眼としたコンサルティングに大きく舵を切ることになりました。これまでたくさんのプロジェクトのご支援や研修をさせていただきましたが、これらの活動を通じて仕事の場面における成長が、その方個人としての成長を促し、「豊かな人生」につながる。そして、会社全体の利益にも繋がっていると感じる場面に
1月19日


Newsletter vol.42 社長を辞めると何が起こったか③
長沼 恒雄 私は長年、モノづくりの現場に携わってきました。生産システムの設計や産業用ロボットのプログラミングにも関わることが多く、今でもロボット技術には関心を持っています。そんな私が子ども向けロボット教室と出会ったのは、5年ほど前のことです。地元の文化会館を別件で訪れた際、たまたまロボット教室が開催されており興味本位で覗いてみたのが始まりでした。教室はPC関連の仕事をされている地元のKさんが“趣味の延長”として個人で運営しているもので、参加しているのは小学生を中心に7〜8名ほど。勉強するというより、みんなで自由に楽しむアットホームな雰囲気の場でした。 教室は月1回、土曜または日曜の10時〜15時に開かれ、子どもたちは出入り自由。参加費は1回1,000円ですが、会場費でほぼ消えてしまうため、Kさん自身はほとんど持ち出しでの運営です。まさに「1,000円で入れる遊園地」のような存在かもしれません。この教室で過ごす時間が心地よく、私も毎月顔を出すようになり、ときには子どもたちへアドバイスをするようにもなりました。Kさんとは自然と気が合い、良い友人関
2025年12月17日
Newsletter vol.41 社長を辞めると何が起こったか②
長沼 恒雄 読者の皆さまの中には、ゴルフを楽しまれている方も多いと思います。私はというと、ゴルフが自分でも嫌になるくらい下手で、20代のころには一生懸命取り組み、プロの方に教わったこともありましたが、なかなか上達しませんでした。そのうちにゴルフ自体を避けるようになり、誘われることも減って、まったくプレーしなくなっていました。ところが4年ほど前、思いがけない形でゴルフがまた私の前にやってきました。当時、私は加東市商工会の副会長を務めており、そのご縁で「加東市ゴルフ協会」の副会長に就任することになったのです。 加東市には16のゴルフ場があり、「ゴルフのまち」です。私が副会長になった時期は協会の転換期で、取り組むべき課題も多くありました。協会の主な活動は、①市民ゴルフ大会の開催、②ゴルフ場への誘客、③ジュニアゴルファーの育成事業の3つです。私は1年ほどかけてそれぞれの活動現場を見てまわり、近隣のゴルフ協会にも伺いながら、運営の工夫などを学んでいきました。長年続く加東市ゴルフ協会には、先輩方が積み重ねてこられた大切な資産があります。その一方で、運営の
2025年11月18日
2025年10月19日
2025年9月18日


Newsletter vol.38 論語と算盤とSDGs⑪ <福澤諭吉> 後編
豊島 敦 前編では、福澤諭吉の生い立ちと洋行体験をたどり、どのようにして広い世界観を獲得したのかを見てきた。後編では、その思想を結晶させた著作『学問のすゝめ』『文明論之概略』『女大学評論』『新女大学』を手がかりに、学問を通じた個人の自立と男女平等を含む福澤の先進的な思想が現代のSDGsといかに通じるかを見ていきたい。 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずといえり」という『学問のすゝめ』の有名な一節を皆さんはご存知だろう。福澤は現実の生活や仕事に役立つ「実学」を重視した。いろは 47 文字や手紙の書き方、算盤などを必須とし、難解な古文や和歌を「実の無い文学」と切り捨て、儒学者も「あがめ貴むべきものにあらず」と断じたのは、いかにも権威主義、形式主義を嫌う福澤らしい。 このように生まれながらの平等を唱える一方で「人学ばざれば智なし、智なき者は愚人なり」という言葉を残し、学問による能力の差が社会的地位や貧富の差を生むと指摘している。教育の機会の平等と各人の努力が如何に大切かという考えは、現代のSDGs「質の高い教育をみんなに」と一致するもの
2025年8月17日


Newsletter vol.37 論語と算盤とSDGs⑩ <福澤諭吉> 前編
豊島 敦 本連載のテーマである『論語と算盤』を著した渋沢栄一は、実業界において今日まで続く多くの企業の創設に関わった実務家であり「日本資本主義の父」と呼ばれている。その功績を認められ、現在一万円札の「顔」となっているが、もう一人、一万円札の「顔」として長年親しまれた福沢諭吉について皆さんはどの様な印象を持たれているだろうか。 「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずと言えり」 誰もが耳にしたことのあるこの言葉は、福澤諭吉の『学問のすゝめ』の冒頭に記された一節である。福澤は思想家・啓蒙家として、日本の近代化を思想と教育の両面から支えた存在である。自由、独立、実学の精神を広め、幕末に創設した慶応義塾からは明治初年から今日に至るまで多くの経済人を輩出してきた。日本経済の根幹を形づくる価値観に深い影響を与えたという点で、福澤もまた「日本資本主義の父」と呼ぶにふさわしい人物であろう。 福澤の著作を丹念に読み返すと、「教育による包摂」「ジェンダー平等」「誰一人取り残さない」といった、今日のSDGsが掲げる価値観の萌芽が随所に見て取れる。福澤は約40
2025年7月21日


Newsletter vol.36 論語と算盤とSDGs⑨ <ベンジャミン・フランクリン>
豊島 敦 2023年、日本製鉄はUSスチールの買収を発表した。北米市場での競争力強化、世界第3位の粗鋼生産体制の構築を目指す動きだったが、米政府は国家安全保障の観点から合併に慎重な姿勢を示し続けた。「鉄は国家」という言葉に象徴されるように、USスチールは長らく米国資本主義の象徴的存在であり、日本企業による事実上の救済合併には、米国側に感情的な抵抗もあったと見られる。本連載ではこれまで、「日本」資本主義の父であり、1万円札の肖像になった渋沢栄一の『論語と算盤』をテーマとしてきたが、今回は「アメリカ」資本主義の父であり、100ドル紙幣の肖像にもなっているベンジャミン・フランクリンを取り上げたい。 ベンジャミン・フランクリンは1706年、ボストンでイギリス移民の家庭に生まれた。石鹸・ろうそく職人である父の15番目の子で、家庭は決して裕福ではなく、10歳で学校を辞めた後は、兄の印刷所で徒弟として働くことになる。厳しい修業の期間も時間を見つけては読書に没頭し、独学で様々な知識を身に付けた。17歳でボストンを離れ、フィラデルフィアに移住した後、印刷業を起
2025年6月19日


Newsletter vol.35 論語と算盤とSDGs⑧ <大原孫三郎>
豊島 敦 「日本初」の西洋美術館と聞いて思い浮かべるのはどこだろうか。有名なところでは国立西洋美術館、そして大原美術館あたりではないだろうか。実は、国立西洋美術館の設立は意外にも遅く1959年(昭和34年)、大原美術館は西洋美術を専門とする美術館としては日本最古の1930年(昭和5年)の設立である。まだ官営の博物館(東京・奈良・京都)ばかりだった時代に、地方の一実業家・大原孫三郎によって設立された稀有な存在である大原美術館は現在でも質の高いコレクションで知られ、2025年4月には「児島虎次郎記念館」も新たに開館した。 「わしの眼には十年先が見える」と語った孫三郎もまた、報徳思想の影響を受けた経営者であり、紡績業の発展に尽くすと同時に、福祉・教育・医療・文化の分野においても幅広い社会貢献を実現した。今回は、先見性と倫理観をもって数多くの持続可能な事業を築いた大原孫三郎について紹介したい。 大原孫三郎は1880年(明治13年)、岡山県倉敷で呉服業、繰綿問屋、米穀問屋、金融業を営む大地主の家の三男として生まれた。父・孝四郎は婿養子として大原家に入
2025年5月19日


Newsletter vol.34 論語と算盤とSDGs⑦ <伊藤忠兵衛>
豊島 敦 2020年に米国の著名投資家ウォーレン・バフェット氏が、日本の5大総合商社(伊藤忠、丸紅、三菱商事、三井物産、住友商事)の株式を保有していることが明らかになった。バブル崩壊後の「失われた30年」を象徴する存在でもあった総合商社への投資は、意外なニュースとして受け止められた。2025年に入り、トランプ政権による保護主義的政策などから世界経済の不安定化が懸念され、世界の株価は乱高下し、日本の商社株もその影響を受ける中、バフェット氏がさらに商社株を買い増していたことが報じられた。日本の総合商社の将来性を信じ、過小評価されていると判断したのだろう。本稿では、5大商社のうち伊藤忠商事と丸紅の創業者である初代・伊藤忠兵衛に焦点を当てる。伊藤忠兵衛が二宮尊徳の報徳思想に直接触れていたという記録はないが、儒教や仏教に基づく江戸時代以来の道徳観を背景に、勤勉と倹約を旨としながら公益と私益の両立を図るという点で、報徳思想と通じるものがある。二宮尊徳が幼少期の苦難を乗り越えて立身出世を遂げたことは明治期には広く知られており、忠兵衛がその思想に共鳴していた可
2025年4月19日
Newsletter vol.33 論語と算盤とSDGs⑥ <御木本幸吉>
豊島 敦 2002年世界で初めて、近畿大学は人口孵化によって生まれたクロマグロの稚魚を育成し、再び産卵させる「完全養殖」に成功した。クロマグロの安定供給に貢献する技術として期待されていたが、その完全養殖が事業として岐路にたたされているという。餌代の高騰や、クロマグロの資源量が回復し、完全養殖の算盤勘定があわなくなってしまっているようだ。日本では江戸時代からウナギや海苔の養殖が行われており、現在に至るまでその技術の高さは世界から認められる所であるが、御木本幸吉は明治期に世界で初めて真珠の養殖に成功し、今日まで世界の真珠産業をリードし続ける企業「MIKIMOTO」を創業した人物である。「真珠王」とも称される幸吉も報徳思想の信奉者であり、二宮尊徳の言葉を弟子がまとめた「二宮翁夜話」を7回熟読し、「海の二宮尊徳となる!」と公言していたと伝えられている。今回は、御木本幸吉がどのように報徳思想を昇華させたのか、足跡をたどってみたい。 幸吉は江戸時代末期1858年に、現在の三重県鳥羽市にうどん屋の長男として生まれた。実家はそこそこ手広く商売をしていたが、事
2025年3月19日


2025年2月16日


Newsletter vol.31 論語と算盤とSDGs④ <豊田佐吉>
豊島 敦 昨年末、ホンダと日産が経営統合するというニュースが流れた。トヨタ、フォルクスワーゲンに次いで販売台数世界第3位の自動車会社になるという。かつて自動車業界ビッグ3といえば、ゼネラルモーターズ、フォード、クライスラーの米国の3社を指していたことを考えると隔世の感がある。また、年の瀬迫った12月25日には、長年スズキをトップとして牽引してきた鈴木修氏の訃報があった。軽乗用車アルトの開発、インドでの合弁事業など軽自動車業界発展への功績は大きい。 今や世界企業となった日本の自動車会社であるが、スズキの創業者鈴木道夫、ホンダの本田宗一郎、そしてトヨタ自動車の祖業で自動織機を開発した豊田佐吉はいずれも静岡県遠州地方の出身であることをご存じだろうか。遠州地方には、「やらまいか」という言葉がある。「やってみようではないか」、「とにかくやってみよう」といった意味で、遠州の人々の進取の気質、旺盛なチャレンジング精神を表している。世界をリードする自動車会社が遠州発祥ということは、こうした気質もあろうが、遠州地方には報徳思想が普及していた影響も大きいのではな
2025年1月19日


Newsletter vol.30 新春特別対談『経営者・幹部のリスキリング』
2021年あたりから「人的資本経営」や「リスキリング」という言葉を耳にする機会が多くなった。これまでの流れは図1にまとめた通りであるが、皆さんの会社ではどのような取組が行われているだろうか?
2025年1月5日
2024年12月19日
Newsletter vol.28 論語と算盤とSDGs② <二宮尊徳>
豊島 敦 『SDGs』と聞くと、何となく食傷気味というか、おなか一杯、はたまた何となくモヤっとした印象を持たれる方もおられるのではないだろうか。「いやいや、そんな事は決して言ってはいけない。これは全人類が目指すべきゴールなのだから、わが社のHPにもしっかり記載して、達成に向けて日々前向きに取り組んでいるはず。あれ?うちの目標は何だったかな?」こんな方も多いのではないか。 SDGs:Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)は、「人類にとってより良い持続可能な未来を達成するための青写真」とされており、そのために達成すべき17の目標が掲げられている。しかしながら、より良い豊かな未来社会を実現するための手段(気候変動対策やCO2排出量削減など)自体を目的化したビジネスが横行、製造業においては受注において厳しい制限を受け、現場への負担増加や生産性を低下させることもあり、自社にとってあまりサスティナブルではないSDGsにモヤモヤとした気持ちを抱かれる方も多いのではないかと思う。 前回、「経済なき道徳は戯言、道徳な
2024年11月18日
Newsletter vol.27 論語と算盤とSDGs① <序>
新連載によせて 先月で連載が終了した『もしドク』に対する続編リクエストや温かい励ましのお声を頂きました事、お礼申し上げます。今月からは少し趣向を変えて『論語と算盤とSDGs』をテーマにニュースレターをお届け致します。 弊社アスカコネクトでは、「Digitalと人材育成で中小製造業を強くする」をモットーに製造現場の改善活動のお手伝いや、各種プロジェクトの実行、研修、経営相談等のお手伝いをさせて頂いております。ある時、弊社をご利用頂く企業様の多くが「地域未来牽引企業」や「優良申告法人」といった優良企業であることに気づきました。経営も内情も健全な企業だから外部のコンサルティングを利用してみようとなるのか、自社のやり方に固執せず外部の意見に耳を傾けるから優良企業になられたのか、どちらかはわかりません。しかし、非常に優れた、実のある経営をされている中小企業の経営者が色んな地域にたくさんいらっしゃると感じています。 私自身、金融機関在職時代にも様々な業種の中小企業の社長と接する機会があり、その後学問として米国主流の「経営学」も学びましたが、人手不足によ
2024年10月19日
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