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Newsletter vol.14 人生後半のキャリア戦略とwell-being

2023年9月19日
読了時間: 4分

更新日:5 日前

林 万美子

 最近、書籍やインターネット記事で「50歳からの〇〇」や「50歳で●●する人、〇〇する人」「50歳からやるべきこと〇選」など、50代にフォーカスしたものをよく目にする。段階ジュニア世代が50代に到達しているということが背景にあるのだろうが、この世代に色々とキャリア(仕事のみならず、プライベートも含めた広い意味で)について困難を抱え迷っている人が多い、ということもあるのではないかと思う。

 この30年で経済環境や社会的な価値観は大きく変わった。年功序列・終身雇用・高額退職金を前提にした滅私奉公の企業戦士がもてはやされた時代はとうの昔。仕事は増える一方で、今や残業は「悪」。にもかかわらず、働き方改革で、有給は消化せよとせかされるなど、ちょっと前まで考えもしなかった。プライベートの充実やライフシフトの重要性を説かれても今更感が半端ない。これまで散々パワハラを受けてきたのに、今度はパワハラ・セクハラ認定されないように神経を使う。能力がなくなったわけでもないのに役職定年で部下が上司になり、給料は大幅にダウン。一方で、年金の受給開始年齢はどんどん引き上げられ、挙句の果てには老後資金として2千万円は必要と言われる。このような状況に文句の一つも言ってやりたい、という気持ちは十分理解できる。

 60歳で完全リタイアし年金生活に入れるひと昔前と違い、今や年金受給は65歳、これから更に引上げが想定される状況では、50歳は就業期間の3分の2を過ぎたに過ぎない。どうにもならない不平不満を言い続けて、自分をスポイルするよりも、残り3分の1ある就業人生とプライベートの時間を、どう過ごせば自分や家族がより良く過ごせるか、幸せになれるのか、well-beingについてじっくりと考える良いタイミングではなかろうか。

 「いきなり『あなたにとっての幸せとは何?』と言われても、そんなこと考えたこともない」と仰る方には「幸せ」を考えるヒントとして、日本における幸福学の第一人者である慶應義塾大学大学院 教授・前野隆司氏の説をお示ししたい。前野氏は共著『幸福学×経営学』のなかで、人生の幸せは以下の「幸せの4つの因子」をバランス良く満たすことによって得られる、としている。

  • やってみよう!因子 (自己実現と成長因子)

  • ありがとう!因子  (つながりと感謝の因子)

  • 何とかなる!因子  (前向きと楽観の因子)

  • ありのままに!因子 (独立と自分らしさの因子)

詳細はインターネットでも詳しく紹介されているので、是非一度ご覧頂きたい。

 最近、50歳を機にキャリアのセカンドステージを迎えた知人が、この事例にあてはまるので、紹介したい。彼は30年間、映像関係の技術職として活躍したが、新しい技術や管理業務に困難を感じ、退職する事になった。当初、「職を辞する」ということに負い目を感じていたが、未来の本人や家族にとっての「幸せ因子」を見つけていくと、そのネガティブさは徐々に払拭されていった。そして「就活がんばろう!」と言い、その後1か月もたたないうちに運送会社に正社員の職を得たとの連絡があった。

<彼の幸せ因子> ・子供は独立しており、夫婦で生活できれば十分(なんとかなる因子・ありのままに因子) ・子供の頃にあこがれたトラック野郎にチャレンジしてみたい(やってみよう因子) ・年に一回の義両親との旅行がとても楽しみ(ありがとう因子)

 このように、キャリアの節目で過去を振り返ることで自分を肯定・受容し、次に向う力に変えられることを目の当たりにできたのは知人としても大変喜ばしい経験であった。とはいえ、やはり自分やパートナー以上に、自身のキャリアについて真剣に考えてくれる人も会社もない。50歳といわず、誕生日などの節目で「自分の人生」についてじっくりと考える機会を設けることを強くお勧めする。

 ちなみに、筆者は毎年正月に「自分決算」として簡単なB/SとPLの作成、去年の振り返り、新年のラフプランと予算の作成、万が一の事態に備えた手続き一覧、近しい人に向けたメッセージをアップデートしている。この自分の人生を振り返る習慣を30歳頃から習慣化しているが、これらは「幸せの4つの因子」に少しポジティブな影響を与え、自分のwell-beingに貢献していると感じている。

 社是や理念に「社員の幸福」など掲げている企業も多いと思うが、なかなか具体的な取組が出来ている企業は少ないと思う。会社としてこういったwell-beingを考える機会を社員に提供したいと考えられているのであれば、是非弊社までご相談頂ければ幸いである。

 
 

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